アリゾナ州ケーブクリーク 2015年5月14日米国に本部を置く高密度実装(HDP)ユーザーグループは、新プロジェクト「スルーホールメッキ(PTH)の温度サイクル(TC)寿命予測式」を開始することをお知らせします。

PTHは、私たちが毎日利用している製品のプリント基板(PCB)に使われている、回路配線の基本的な構成要素です。

プリント基板と製品の寿命は、PTHの寿命に大きく左右されます。 PTHの信頼性は、基板の厚さ、穴の品質とメッキ、メッキの厚さ、内層とPTHの接続インターフェースなど、いくつかの変数に依存します。

「現在、PTHの寿命を予測するためには、加速温度サイクルを行うのが一般的な方法です。一方、BGA/LGAのはんだ接合部の寿命は、修正Coffin-Manson方程式を使用して予測することができます。このような加速方程式とパラメータを使用することで、相互接続の寿命を予測するための時間とコストを節約することができます。」と、HDPのプロジェクト・ファシリテーターであるジャック・タンは説明しています。

このプロジェクトは、PTHの寿命を予測する加速方程式を確立することを目的としています。この方程式は、製品の使用環境に基づき、より正確な製品保証期間の予測に使用することができます。また、製品寿命を向上させるためにクリティカルなPTHの設計因子を特定し、PCB設計の初期段階でPTH設計を微調整することが可能となります。

このプロジェクトでは、通信機器、コンピュータ、サーバーに使用されるPCBに焦点を当てます。FEMを使用して、さまざまなPTHの仕様と動作環境をシミュレーションし、PTHの故障までのサイクル数を算出します。そして温度サイクル試験を実施し、物理的な故障までのサイクル数を算出値と比較します。このプロセスを繰り返し、最適な結果を導き出し、温度サイクルに対するPTHの寿命を予測する加速方程式を確立する予定です。

このプロジェクトにご興味のある方は、ジャック・タン(Jtan@hdpug.org)までご連絡ください。

 

HDPユーザーグループについて

HDPユーザーグループ(www.hdpug.org)は、アリゾナ州ケーブクリークを拠点とするグローバルな研究開発組織で、「エレクトロニクス製造業界が高度な電子部品の実装・組立を行う際のコストとリスクの低減」を目的に活動しています。この国際的な業界主導のグループは、設計、プリント基板製造、電子機器組立、環境コンプライアンスなど、業界が直面する技術的な問題に対処するための研究開発プログラムを組織し、実施しています。HDPユーザーグループは、テキサス州オースティン、スウェーデン・ストックホルム、日本・東京にもオフィスを構えています。

詳細については、インターネットでHDPユーザーグループのサイトwww.hdpug.orgをご覧ください。 または、ラリー・マルカンティ(larrym@hdpug.org、電話番号 :+1 214-621-7792)までご連絡ください。